『UNITE FOR CHILDREN.UNITE FOR PEACE.』 FIFAに見るソーシャル・マーケティングのケーススタディ [ 2006.06.10 ]
企業や組織の活動が広範になるにつれ、個人や社会との軋轢が生じるケースが増えてきます。それは、企業・組織の利益と、社会的利益のギャップから生まれます。
マーケティングとは組織目標の達成を促進させる目的で導入されるものであり、その意味では、短期的な自社の利益と、長期的に見たときの社会の福祉を調整し、長期間に渡る自社の繁栄を確保することもタスクのひとつとなるでしょう。
そうした社会的、倫理的な視点を盛り込んだマーケティング・コンセプトは、「ソサイエタル・マーケティング」や「コーズリレーテッド・マーケティング」と呼ばれますが、今回、FIFA(国際サッカー連盟)とユニセフが組んで展開しているキャンペーン『UNITE FOR CHILDREN. UNITE FOR PEACE.』もその一つのケーススタディと見ることができるでしょう。
ここ10年の間だけでも、武力紛争によって直接的に命を失った子どもの数は200万人以上。その三倍以上にのぼる数の子どもたちが重傷を負ったり、体に障害を負っています。ふるさとの家を捨てなければならなかった子どもの数はおよそ2000万人と推定され、何十万人もの少年少女たちが、子どもの兵士となることを強要されました。ユニセフと国際サッカー連盟(FIFA)はこういった問題に正面から取り組むため、「UNITE FOR CHILDREN. UNITE FOR PEACE. (子どもたちのために。平和のために。)」キャンペーンを開始しました。このキャンペーンは、平和な世界、紛争や虐待のない世界で生きる権利をすべての子どもに保障することを目的とし、2006FIFAワールドカップ(ドイツにて開催)の開催に合わせて、世界中の視聴者にむけ呼びかけられます。
( unicef のウェブサイトより引用)
10年ほど前、サッカーボールを始めとするスポーツ用品の大部分が、パキスタンやインドの子供たちの労働によって作られている事実が告発され、国際的な問題となりました。国際水準を大きく下回る低賃金での児童労働に対する批判は、ナイキやアディダス、リーボックなどのスポーツメーカーはもちろん、児童労働により製造されたボールを使用していたFIFAにも向けられました。
1998年、FIFAは、試合で使用する公認ボールや用品の製造に際して、児童労働を含まない適正な労働環境・賃金を保証する基準を採択。1999年から、ユニセフと組んで、子供たちの健康と平和のためのキャンペーンを始めました。
消費者・エンドユーザーの発言力が増している今日、企業・組織は短期的な利潤や効率化を追究するだけでは持続的な発展が難しくなってきています。
FIFAも、”フェア・プレー”を要求する国際的な声の高まりに応えるべく、公共の福祉との調和を図るソーシャル・マーケティングの視点を導入しています。

UNITE FOR CHILDREN.UNITE FOR PEACE. : ユニセフ・FIFAキャンペーン
トラックバック (0) | ブログコラム | TEXT : 藤原 秀樹





