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多メディア時代のワールドカップ 2006 [ 2006.06.10 ]

いよいよ始まりましたね、サッカー・ワールドカップ。
今回のワールドカップは寝不足に悩まされずに済みそうです。

というのも、MSNで今大会の全64試合のハイライト動画を無料で見られるからです。

2006 FIFA ワールドカップハイライト映像 : MSNビデオ

1試合あたり、3分~5分にまとめられた試合の動画が、試合終了2時間後くらいから見ることができます。
試合の要点だけを、いつでも好きなときに見られるのはとても便利。
この便利さは、今後のユーザーのメディア接触行動を大きく変化させるのに充分だろう、と実感します。

◎タイムシフトの加速
DVDレコーダーなどのハード類の普及、オンデマンド型のネット配信の充実などは、ユーザーの「タイムシフト」行動を加速させます。コンテンツのアーカイブ体制が整備されるにつれ、ユーザーはリアルタイムでコンテンツと接触する必要がなくなり、自分の見たいときに自分の見たいものを見るというスタイルへとますます移行が進むでしょう。MSNのネット配信さえあれば、眠い目をこすりながら試合をフォローする必要性からも、さらに言えば、テレビのスポーツ番組の時間を意識する必要性からも解放されます。
時間的制約のあるメディアはユーザーから敬遠され、時間的自由度の高いメディアにシェアを奪われてゆくかもしれません。一方で、時間的制約から解放するための機器類、サービスの需要は高まるでしょう。

◎ユーザーの行動の変化
タイムシフトという視聴スタイルの普及により、「昨日、ドイツ戦見たから寝不足だよ~」というファン表明の正当性が薄れてきます。
今後の熱狂的なファンであることの表明は、優秀な受け手であることを宣言することではなく、ブログやウェブサイトを通じて熱心に情報発信する参加型へと変化するでしょう。

◎広告の価値の変化
すでに議論になっている通り、DVDレコーダーの普及は「CMスキップ」というテレビ放送の広告モデルの根底を崩すメディア接触行動を生み出しています。また、本来テレビ視聴者だった層がネット配信視聴に流れるとすれば、(MSNの動画を見ても分かるとおり)そのユーザーに対しては、テレビで放映されることを前提とした競技場の広告看板は訴求効果がありません。それであれば、MSNポータルに広告を出した方がより効果的です。
メディア接触行動の多様化により、広告主は、自社のターゲットユーザーがどのようなメディアをどのような視聴スタイルで接触するのかを仔細にマーケティングする必要性が出てきます。

◎「体験」の質の変化
また、メディア接触行動の多様化は、「みんなで一緒に味わう」というイベントの体験の質も変化させます。保存技術やタイムシフトの普及は、イベントの共通体験を「個人的な所有」の方向へ移行させるでしょう。ひとつの「大きな経験」は、「断片化した個別の経験」へと散逸していきます。一方で、ブログによる情報発信は、同じ関心を持ったユーザー間のコミュニケーションを促進し、「ネットワーク化された共通体験」という新しいメディア体験をもたらすでしょう。


多メディア時代のワールドカップ、みなさんはどんなスタイルで楽しんでいますか?

トラックバック (0) | ブログコラム | TEXT : 藤原 秀樹

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