トップブログコラムGyaO2.0。あるいは、Myspaceに対抗しうるのはmixiではなくUSENグループなのではないかという予感について(2)

GyaO2.0。あるいは、Myspaceに対抗しうるのはmixiではなくUSENグループなのではないかという予感について(2) [ 2006.05.27 ]

▼SNSの競争力

前項では、「メディア・インフラ」と「コンテンツ」をワンストップで保有することで「月9方式」の事業シナジーを生み出す、新しいSNSビジネスの収益モデルの可能性について述べてみました。

それは言い換えれば、会員数の多寡ばかりが取り沙汰されるSNSビジネスに対し、「コンテンツ生産力」という新しい競争軸を見出したことになります。

国内SNSの勝ち組と呼ばれるmixiの成長性を評価するとき、今後も会員数の伸びが予想されることから、広告モデルとしては、充分なポテンシャルを保有していると言えるでしょう。
しかし、MySpace.comの日本上陸がまことしやかに囁かれている中、近いうちに、「コンテンツ生産力」を含めた、より高い競争力を要求される局面が出てくるかもしれません。ノンジャンル系のSNS提供各社は、広告収益モデルが安定期に入る時点で、コンテンツ保有企業を買収するか、あるいは逆にコンテンツ保有企業と一体化することで、総合メディア業へのステージアップが図られるタイミングがあるかもしれません。


▼USENグループが切り拓く未知のメディア体験領域

今までの話の流れでSNS業界をあらためてとらえなおしてみると、ボクが個人的に気になるのは、USENグループの存在です。

USEN=SNSというイメージは結びつきにくいですが、USEN・宇野社長がライブドア株を保有したことにより、livedoorが運営するSNS『フレパ』やlivedoorポータルと言った「メディア・インフラ」を手中に収めています。そして何よりも、USENグループは、約1000万人の会員を抱える動画配信サービス『GyaO』を運営しています。
ライブドアのインターネットサービスとUSENの『GyaO』を連携させることで、より巨大な「メディア・インフラ」基盤が成立します。

さらに、USENグループが特徴的なのは、自社でコンテンツ制作する体制を整え始めている点です。
他社ポータルが、コストのかかるコンテンツ制作に力をいれず、あくまでブローカー的関わり方で外部コンテンツホルダーと連携しているのに比べ、『GyaO』は果敢にも自社制作コンテンツ量を増やしています。
先月発表されたUSENの2006年度2月中間期連結決算では、制作コストがかさんだ『GyaO』の赤字が利益を圧迫していることが明らかになりました。確かに、コンテンツ自社制作への先行投資はリスクが高い部分もありますが、これまで見てきた通り「メディア・インフラ」と「コンテンツ」を融合させることは、大きなシナジーを生み出す可能性があります。

USEN+livedoor会員だけに自社制作コンテンツを限定公開・先行公開するなどのインセンティブ付与はもちろん、例えば『フレパ』会員の投票によって『GyaO』で公開中のドラマのストーリーが変わっていくなどのユーザー参加型のコンテンツ提供など、その可能性は無限です。

現在のところ『GyaO』は、”パソコンテレビ”という旧メディアのメタファーでポジショニングしているようですが、livedoorのサービスとの連携を強化し、コミュニティ性を高め、そこに自社制作コンテンツを流通させる流れを構築すれば、これまでのエスタブリッシュなメディア・コミュニケーションとは別の新しい回路を切り拓く爆発力を秘めているように思います。

進化した『GyaO2.0』が、ボクらに未知のメディア・エクスペリエンスを与えてくれるかもしれません。

トラックバック (0) | ブログコラム | TEXT : 藤原 秀樹

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