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寄生、感染、引用- Web2.0時代のメディアの場所論 [ 2006.04.15 ]

ブログの爆発的普及により、大きく変わった点が2つあります。
ひとつは、ブログという物理的なメディアスペースが増えたこと。もうひとつは、口コミが広がる際のインフラとなる人的なネットワークが整備されたことです。

▼寄生するメディア

ブログという物理的なメディアスペースが増えたことにより、今日の広告メディアは、拡散を始めました。Googleのadsenseやアフィリエイト広告は、ブログの空きスペースに入り込み、増殖を続けています。
それらの「寄生するメディア」は、占有面積も小さく、集客のパワーも微々たるものですが、コンテンツマッチングという新しい能力を持っています。adsenseやAmazonのWebサービスなどは、広告がユーザーニーズにマッチすればするほど、単なる宣伝ではなく、ユーザーが探している情報に近づくことを知っています。メディア慣れしたユーザーは、宣伝は無視しますが、有益な情報は歓迎します。
ユーザーニーズが多様化する今日、商品やサービスは、全国民に知らせる必要などなく、買ってくれる人たちにだけ知ってもらえば良いのです。
新聞やテレビなどのマス媒体が読者数や視聴率競争にしのぎを削っている間に、これらの新しい”小さな広告たち”は、増加するブログスペースに寄生しながら、ピンポイントでユーザーニーズにリーチし、高いパフォーマンスを上げています。


▼感染するメディア

口コミで広がるCM、バイラルCMがいよいよ日本でも本格的に始動し始めるかもしれません。バイラルCMが普及するために必要な人的なネットワークは、着実に整備されつつあります。面白い情報を見つけたときに、メールで友人に知らせたり、ブログで取り上げたりすることはもはや日常的な行為です。

今月公開されたばかりのウォーカープラス社の「バイラルウォーカー」は、バイラルCMだけを集めたポータルサイトです。

Viral Walker ウェブサイト

そこに掲載されるCMは、決してサービスや商品を説明したりしません。広告が宣伝色を薄め、ユーザーに好意的に受けとめられる情報に姿を変えることで、人的ネットワークを通じて、自然発生的にその影響は「感染」していきます。「感染力」は、プロモーションに投じた金額の多寡ではなく、コンテンツの魅力によって決まります。


▼引用されるメディア

ユーザー間の連携が増加したことにより、「引用されるメディア」の重要性も増してきています。
インターネット上の情報を伝えるときに、ボクたちは、逐一その内容について説明したりしません。ただ、その情報のありかをリンクを貼って伝えるだけです。場所を伝えるときには、地図サイトへのリンクを貼り、ニュースを伝えるときは、ニュースサイトの記事に直接リンクを貼って伝えます。せいぜい、「詳しくはこちら」と一言添えるくらいでしょう。
インターネット上のコミュニケーションが増える中で、情報交換の場面も増えています。そこで「リンクをはる」という行為が一般化しているということは、逆に言えば、リンクをはられるような「引用されるメディア」を用意すれば、ユーザーを集められるということになります。
「引用されるメディア」の例として、ユーザーの知りたいことを解説しているメディアが挙げられます。Wikipediaのような辞書タイプのサイトは、この好例です。インターネット上で誰かがある用語の意味について尋ねれば、詳細を説明せずに、Wikipediaの該当項目へのリンクをはるユーザーは多いでしょう。このとき、Wikipediaは積極的に集客した訳ではないにも関わらず、ユーザーの獲得に成功しています。網羅性と正確性を兼ね備えたメディアは、「引用されるメディア」になる資格を有しています。

ボクがコンサルティングを担当しているあるクライアントが、近日中にこの辞書タイプの情報サイトを公開します。(諸事情により詳細はお教えできませんが)非常に情報ニーズが多い分野にも関わらず、網羅性と正確性を兼ね備えた情報サイトが存在していなかったため、おそらく公開後はインターネット上のあちこちで引用されているのを見かけるようになるでしょう。今から楽しみです。

インターネットの世界で起こっている変化を意識し、寄生、感染、引用といったWeb2.0的な広告メディア戦略を取り入れることで、旧来のマスマーケティングでは不可能だった、ユーザーとのハッピーなメディアコミュニケーションを実現することができます。

トラックバック (0) | ブログ関連サービス | TEXT : 藤原 秀樹

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