ユーザーはなぜ企業ブログと関わろうとするのか (2) [ 2005.12.12 ]
■『金銭価値交換』-ユーザーのコミュニケーション動機(1)
企業ブログとコミュニケーションを取ることで、何らかの金銭的対価が得られると期待される場合、ユーザーはアクションを起こします。
ブログを使った企業キャンーペーンに、ユーザーが応募する場合がこれにあたります。
ユーザーは、自らの個人情報や、企業の要望に従ったさまざまなリアクションと引き換えに、企業が提供する賞品などを受け取ります。
ブログ特有のプロモーション形態として最近増えてきているのが、ブログのトラックバック機能を使ったキャンペーンです。
個人ユーザーは、企業が提示するテーマに従って、運営している個人ブログ上で商品やサービスを紹介する記事をエントリーします。
その際、あらかじめ企業側が用意したトラックバックセンターにトラックバックを送ることでキャンペーン参加への意思表明を行います。
企業側は、自社の商品・サービスが多くの個人ブログ上で紹介されることによって、インターネット上での露出を増やし、認知範囲を広めることができます。
ケンコーコムが運営する『ケンブロ』では、ケンコーコムで扱っている商品を個人ブログ上で紹介してもらい、トラックバックを受け付けるコーナーを常時設けています。トラックバックを送ってきたユーザーに対して商品を提供することで、金銭的対価の交換を期待するユーザーのアクションを引き出しています。
ブログの登場により情報発信メディアを所有する個人が増加したという時代的変化をとらえている点と、ブログ同士の連携を容易に可能にするトラックバックというブログ特有の機能を活用している点が、この新たなキャンペーンモデルを特徴付けています。
トラックバックキャンペーンの効果は、いまだ検証段階であるとみなすのが正しい見方かもしれません。
なぜならば、個人ブログを利用して自社商品・サービスの露出度を上げる効果を得る一方で、近年のマーケティングにおいて重要な要素となる口コミを、金銭的価値交換を媒介に恣意的に操作するというネガティヴな意味合いが含まれているからです。個人ブログ上で紹介された商品が、情報の受け手から単なる宣伝行為とみなされた場合、口コミが持つ共感によるユーザーの取り込み効果は薄れてしまいます。新商品や新サービスの紹介など、露出度アップ・認知度アップが最優先の課題である場合に用いるのが効果的かもしれません。
金銭価値交換型のキャンペーンの効果を上げるためには、企業側がユーザーに要求するリアクションとその対価として提供する金銭的メリットのバランスを計ることが重要です。
ユーザーに対する過大な要求は、ユーザーのコミュニケーション動機を減少させます。一方で、対価として提供する賞品・賞金を高額にすればユーザーのコミュニケーション動機を向上させることができますが、企業の経済的負担も大きくなりROI値は悪化します。
企業側が提示するテーマがユーザーの興味を引くものであれば、金銭的メリット以上のリアクションを引き出すことも可能になります。また、個人情報の取扱いやセキュリティ面に対する配慮がユーザーの心理的ハードルを下げることも看過できません。
キャンペーンの目的を明確化し、その目的遂行のためにユーザーの動員や投資額を最適化していきましょう。
次回は、『情報価値交換』型のコミュニケーション動機を検証します。
トラックバック (0) | ブログコラム | TEXT : 藤原 秀樹





